浅野友理子 個展「地続きの実り」
会期:2025年10月17日(金) - 11月22日(土) 13:00 - 19:00
*日・月・火・祝日は休廊
会場:SNOW Contemporary / 東京都港区西麻布2-13-12 早野ビル404
オープニングレセプション:2025年10月17日(金)17:00 - 19:00
会期:2025年10月17日(金) - 11月22日(土) 13:00 - 19:00
*日・月・火・祝日は休廊
会場:SNOW Contemporary / 東京都港区西麻布2-13-12 早野ビル404
オープニングレセプション:2025年10月17日(金)17:00 - 19:00
SNOW Contemporaryでは2025年10月17日(金)から11月22日(土)まで、浅野友理子 「地続きの実り」を開催いたします。
1990年生まれの浅野友理子は、その土地の食文化や植物の利用法を学ぶために様々な土地を訪ね、出会った人々とのやりとりや自身の体験をなぞり、その土地で受け継がれてきたものを記録するように絵画を制作しています。
それらの作品は、単なる植物画にとどまらず、土地に長く伝わる知恵や知識に着目し、現代社会で失われつつある人と自然との共生や、人間以外の生き物に対する視点、生命の循環、あるいは女性の労働など、きわめて現代的な問題意識を内包しています。
浅野は、「VOCA展」や「東山魁夷記念 日経日本画大賞」などを受賞し、現在最も注目を集めている新進気鋭のアーティストの一人です。
2024年には、国際芸術センター青森でのアーティスト・イン・レジデンスに参加し、国内外のアーティストたちと共に約1ヶ月半滞在しながら作品制作に取り組みました。
現在開催中の国際芸術祭「あいち2025」では、浅野が見た瀬戸の植物の姿を大皿に描き、一部には植物の灰をかけて焼き上げることで、土地の植生と窯業の関係性を表現した《地続きの実り》を発表しました。
本展では、浅野が瀬戸に滞在した中で巡り会った自然と、その地に住まう人々の営みから着想した新作絵画を発表します。
千年余の歴史と伝統を有する焼きものの産地であり、焼きものの原料となる良質な粘土や燃料となる樹木などに恵まれた瀬戸地域を、浅野は今年の春から初夏にかけてじっくりと見つめてきました。
その歴史ある瀬戸にて、浅野が滞在中に出会った人々から話を聞く中で感じた時代の変遷とともに変わる人の営み、そして自然環境の変化により生まれた新たな植生から見える複雑な共生関係が、作家にインスピレーションを与えます。
浅野が植物を通じて見えてきた瀬戸の土地の実りの痕跡を、フィールドワークを通じて得た体験とともに、その土地に根付いた焼きものと絵画で表現します。
本展では、大皿作品1点と、新作絵画13点で構成される予定です。
弊廊では2回目となる個展《地続きの実り》で、浅野が見つめる自然と人の営みを主題とした作品群を是非ご高覧ください。
アーティスト・ステートメント / 浅野友理子
今年の春から初夏にかけて愛知県の瀬戸に滞在する中で、いくつかの希少な植物に出会いました。
やきものづくりが続く瀬戸では、長い間薪を必要としてきた歴史があります。こうした木の伐採は、はげ山を生み出し、ときには水害をもたらしてきました。
しかしそれは一方的な破壊とは簡単に言えず、はげ山になることでできた湿地とともに自生する植物も存在しています。
日当たりの良い湿地で美しい露のような粘液を出して虫を捕らえるトウカイモウセンゴケ。水を通しやすく栄養に乏しい砂礫層に生えるフモトミズナラ。
秋に赤い種子をつけるシデコブシは、湿地に生えることで多種との住み分けを行っています。
また、かつて窯の薪として、あるいは砂防林として植えられたクロマツやヤマモモの木々もあれば、神社仏閣とともに古くから自生してきたツブラジイなども存在します。
やせた土地でも育ちやすいとして植えられたニセアカシアは、厄介な外来種とされる一方で、養蜂家にとって花の蜜は貴重な資源でもあります。
今回瀬戸のさまざまな植生を通じて、焼きものづくりとは切り離せない人々の営みの痕跡がみえてくるとともに、人と植物の関係性の複雑な歩みがあることを知りました。
現在開催中の国際芸術祭「あいち2025」には大皿にこうした植物の姿を描き、一部には植物の灰をかけて焼き上げることで、この土地の植生と窯業の関係性を大皿という形式で表現した《地続きの実り》という作品を発表しています。今回の個展では、大皿に描かれた植物たちの姿をあらためて、絵画の中に描き起こしています。
滞在中に瀬戸を歩きながら見聞きした植物や、関わった方々から聞いた植物にまつわるエピソード、滞在中の個人的な思い出も含めて、植物を通じてみえてきたこの土地の実りの痕跡を、絵画で伝えられたらとおもいます。
1990年生まれの浅野友理子は、その土地の食文化や植物の利用法を学ぶために様々な土地を訪ね、出会った人々とのやりとりや自身の体験をなぞり、その土地で受け継がれてきたものを記録するように絵画を制作しています。
それらの作品は、単なる植物画にとどまらず、土地に長く伝わる知恵や知識に着目し、現代社会で失われつつある人と自然との共生や、人間以外の生き物に対する視点、生命の循環、あるいは女性の労働など、きわめて現代的な問題意識を内包しています。
浅野は、「VOCA展」や「東山魁夷記念 日経日本画大賞」などを受賞し、現在最も注目を集めている新進気鋭のアーティストの一人です。
2024年には、国際芸術センター青森でのアーティスト・イン・レジデンスに参加し、国内外のアーティストたちと共に約1ヶ月半滞在しながら作品制作に取り組みました。
現在開催中の国際芸術祭「あいち2025」では、浅野が見た瀬戸の植物の姿を大皿に描き、一部には植物の灰をかけて焼き上げることで、土地の植生と窯業の関係性を表現した《地続きの実り》を発表しました。
本展では、浅野が瀬戸に滞在した中で巡り会った自然と、その地に住まう人々の営みから着想した新作絵画を発表します。
千年余の歴史と伝統を有する焼きものの産地であり、焼きものの原料となる良質な粘土や燃料となる樹木などに恵まれた瀬戸地域を、浅野は今年の春から初夏にかけてじっくりと見つめてきました。
その歴史ある瀬戸にて、浅野が滞在中に出会った人々から話を聞く中で感じた時代の変遷とともに変わる人の営み、そして自然環境の変化により生まれた新たな植生から見える複雑な共生関係が、作家にインスピレーションを与えます。
浅野が植物を通じて見えてきた瀬戸の土地の実りの痕跡を、フィールドワークを通じて得た体験とともに、その土地に根付いた焼きものと絵画で表現します。
本展では、大皿作品1点と、新作絵画13点で構成される予定です。
弊廊では2回目となる個展《地続きの実り》で、浅野が見つめる自然と人の営みを主題とした作品群を是非ご高覧ください。
アーティスト・ステートメント / 浅野友理子
今年の春から初夏にかけて愛知県の瀬戸に滞在する中で、いくつかの希少な植物に出会いました。
やきものづくりが続く瀬戸では、長い間薪を必要としてきた歴史があります。こうした木の伐採は、はげ山を生み出し、ときには水害をもたらしてきました。
しかしそれは一方的な破壊とは簡単に言えず、はげ山になることでできた湿地とともに自生する植物も存在しています。
日当たりの良い湿地で美しい露のような粘液を出して虫を捕らえるトウカイモウセンゴケ。水を通しやすく栄養に乏しい砂礫層に生えるフモトミズナラ。
秋に赤い種子をつけるシデコブシは、湿地に生えることで多種との住み分けを行っています。
また、かつて窯の薪として、あるいは砂防林として植えられたクロマツやヤマモモの木々もあれば、神社仏閣とともに古くから自生してきたツブラジイなども存在します。
やせた土地でも育ちやすいとして植えられたニセアカシアは、厄介な外来種とされる一方で、養蜂家にとって花の蜜は貴重な資源でもあります。
今回瀬戸のさまざまな植生を通じて、焼きものづくりとは切り離せない人々の営みの痕跡がみえてくるとともに、人と植物の関係性の複雑な歩みがあることを知りました。
現在開催中の国際芸術祭「あいち2025」には大皿にこうした植物の姿を描き、一部には植物の灰をかけて焼き上げることで、この土地の植生と窯業の関係性を大皿という形式で表現した《地続きの実り》という作品を発表しています。今回の個展では、大皿に描かれた植物たちの姿をあらためて、絵画の中に描き起こしています。
滞在中に瀬戸を歩きながら見聞きした植物や、関わった方々から聞いた植物にまつわるエピソード、滞在中の個人的な思い出も含めて、植物を通じてみえてきたこの土地の実りの痕跡を、絵画で伝えられたらとおもいます。
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