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snow contemporary
Frozen Scream #8   彼女の姉は名古屋入管で殺された。そのショックで彼女は立っていることができずに倒れこんだ。そして報道陣のカメラに向かって指をさして叫んだ。「今回は姉だったが、次はあなたたちの番だ」 530mm×530mm,Marble sand,resin on canvas,2021/2022
山川冬樹・個展「Frozen Screams 凍れる叫声」
会期:2022年12月2日(金) - 1月28日(土) 13:00 - 19:00
12月10日(土)- 2月10日(金)
*諸般の事情により会期を延期いたしました。
*日・月・火・祝日は休廊
*冬季休廊:2022年 12月25日(日) - 2023年 12月10日(火)
会場 : SNOW Contemporary / 東京都港区西麻布2-13-12 早野ビル404


SNOW Contemporaryでは2022年12月10日 ー 2月10日(金)まで山川冬樹・個展「Frozen Screams 凍れる叫声」を開催いたします。


どういう風の吹きまわしか、この期に及んで ” 絵画作品” を制作しようと思った。モチーフ は「叫び」である。

叫びを描いた画家というと、やはりまっさきに想い出されるのはエドヴァルド・ムンクだろうか。しかし彼のようにそれをカンヴァスの上に描写しようというのではない。そうではなくかつてどこかの誰かによって発せられた叫声をそのまま凍らせ、絵画として結晶化することはできないか。ジェームズ・フレイザーの理屈になぞらえてみるならば、 類似の法則に則った類感呪術ではなく、接触の法則に則った感染呪術としての絵画とでも言うべきか。

怒り、嘆き、悦び、恐れ、痛み、苦しみ、驚き、快感、あるいは欲求不満...己の制御の限界を超えた精神状態に至った時、わたしたちは叫ぶ。しかしその容態を「叫ぶ」という能動態で説明するのは果たして妥当なのだろうか。むしろその時わたしたちは「叫び」という得体の知れないものに乗っ取られ、襲われているのではないか。「叫び」が現勢化されるためには極めて大きな声量を要する。そのとき声帯で引き起こされる振動は激しく、破壊的で無秩序だ。その震えはわたしたちをもう一度あの混沌とした生の熱源へと荒々しく引き戻す。それはわたしたちを生かしもするし殺しもする。にもかかわらず、わたしたちはその熱い声のことをほとんど知らない。

それはさておき、まっさらなカンヴァスの表面を軽く指で叩いてやると画布が小気味良く振動し、なかなか良い音が鳴ることを、洋画の心得のある者なら誰しもが知っているだろう。そう、画布は鼓膜にもなり得るし、カンヴァスは太鼓と同じ構造を持った文字通りの共鳴体なのである。そのカンヴァスを水平に寝かせ、画布の上に大理石の粒子を敷き詰めて、かつてどこかで発せられた人間の叫声を物理的に共鳴させてやる。するとそこに声の主の ”肖像 ” ならぬ ”叫像”が現れてくる。
生の熱源から生じたその” 叫像” を「Screamology(叫声学)」の視点で瞬間冷凍させたのが、このたび発表する「Frozen Scream」シリーズである。

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