山川冬樹・個展「Frozen Screams 凍れる叫声」
会期:2022年12月2日(金) - 1月28日(土) 13:00 - 19:00
12月10日(土)- 2月10日(金)
*諸般の事情により会期を延期いたしました。
*日・月・火・祝日は休廊
*冬季休廊:2022年 12月25日(日) - 2023年 1月10日(火)
会場 : SNOW Contemporary / 東京都港区西麻布2-13-12 早野ビル404
このたびSNOW Contemporaryでは、ホーメイ歌手、アーティストとして国内外で活躍する山川冬樹の個展「Frozen Screams 凍れる叫声」を開催いたします。
山川は自らの「声」と「身体」をプラットフォームに、音楽、美術、舞台芸術の境界線を横断する脱領域的パフォーマンスを展開しています。
自らの身体内部で起きている微細な活動を音と光として空間に還元し、観客の視覚、聴覚、さらには皮膚感覚にも強烈に訴えかける表現を通じ、 多様な分野のアーティストとのコラボレーションも多く、世界各地から招聘を受けています。
本展では「Screamology(叫声学)」の視点から本年水戸のアートスペースで発表したタブロー作品8点に新作を加えて展示する予定です。
カンヴァスを支持体としてではなく「共鳴体」として扱い、大理石の粒子を敷いた画布に社会的・政治的文脈で発せられた人間の叫び声を響かせ、 その振動から現れた模様を樹脂で固めるという手法によって作品を制作します。
一貫して「声」と「身体」に向き合ってきた山川にとって 初の絵画作品となる今回の「Frozen Scream」シリーズを是非ご高覧ください。
アーティストステートメント
山川冬樹
どういう風の吹きまわしか、この期に及んで ” 絵画作品” を制作しようと思った。モチーフ は「叫び」である。
叫びを描いた画家というと、やはりまっさきに想い出されるのはエドヴァルド・ムンクだろうか。しかし彼のようにそれをカンヴァスの上に描写しようというのではない。そうではなくかつてどこかの誰かによって発せられた叫声をそのまま凍らせ、絵画として結晶化することはできないか。ジェームズ・フレイザーの理屈になぞらえてみるならば、 類似の法則に則った類感呪術ではなく、接触の法則に則った感染呪術としての絵画とでも言うべきか。
怒り、嘆き、悦び、恐れ、痛み、苦しみ、驚き、快感、あるいは欲求不満...己の制御の限界を超えた精神状態に至った時、わたしたちは叫ぶ。しかしその容態を「叫ぶ」という能動態で説明するのは果たして妥当なのだろうか。むしろその時わたしたちは「叫び」という得体の知れないものに乗っ取られ、襲われているのではないか。「叫び」が現勢化されるためには極めて大きな声量を要する。そのとき声帯で引き起こされる振動は激しく、破壊的で無秩序だ。その震えはわたしたちをもう一度あの混沌とした生の熱源へと荒々しく引き戻す。それはわたしたちを生かしもするし殺しもする。にもかかわらず、わたしたちはその熱い声のことをほとんど知らない。
それはさておき、まっさらなカンヴァスの表面を軽く指で叩いてやると画布が小気味良く振動し、なかなか良い音が鳴ることを、洋画の心得のある者なら誰しもが知っているだろう。そう、画布は鼓膜にもなり得るし、カンヴァスは太鼓と同じ構造を持った文字通りの共鳴体なのである。そのカンヴァスを水平に寝かせ、画布の上に大理石の粒子を敷き詰めて、かつてどこかで発せられた人間の叫声を物理的に共鳴させてやる。するとそこに声の主の ”肖像 ” ならぬ ”叫像”が現れてくる。
生の熱源から生じたその” 叫像” を,「Screamology(叫声学)」の視点で瞬間冷凍させたのが、このたび発表する「Frozen Scream」シリーズである。
会期:2022年
12月10日(土)- 2月10日(金)
*諸般の事情により会期を延期いたしました。
*日・月・火・祝日は休廊
*冬季休廊:2022年 12月25日(日) - 2023年 1月10日(火)
会場 : SNOW Contemporary / 東京都港区西麻布2-13-12 早野ビル404
このたびSNOW Contemporaryでは、ホーメイ歌手、アーティストとして国内外で活躍する山川冬樹の個展「Frozen Screams 凍れる叫声」を開催いたします。
山川は自らの「声」と「身体」をプラットフォームに、音楽、美術、舞台芸術の境界線を横断する脱領域的パフォーマンスを展開しています。
自らの身体内部で起きている微細な活動を音と光として空間に還元し、観客の視覚、聴覚、さらには皮膚感覚にも強烈に訴えかける表現を通じ、 多様な分野のアーティストとのコラボレーションも多く、世界各地から招聘を受けています。
本展では「Screamology(叫声学)」の視点から本年水戸のアートスペースで発表したタブロー作品8点に新作を加えて展示する予定です。
カンヴァスを支持体としてではなく「共鳴体」として扱い、大理石の粒子を敷いた画布に社会的・政治的文脈で発せられた人間の叫び声を響かせ、 その振動から現れた模様を樹脂で固めるという手法によって作品を制作します。
一貫して「声」と「身体」に向き合ってきた山川にとって 初の絵画作品となる今回の「Frozen Scream」シリーズを是非ご高覧ください。
アーティストステートメント
山川冬樹
どういう風の吹きまわしか、この期に及んで ” 絵画作品” を制作しようと思った。モチーフ は「叫び」である。
叫びを描いた画家というと、やはりまっさきに想い出されるのはエドヴァルド・ムンクだろうか。しかし彼のようにそれをカンヴァスの上に描写しようというのではない。そうではなくかつてどこかの誰かによって発せられた叫声をそのまま凍らせ、絵画として結晶化することはできないか。ジェームズ・フレイザーの理屈になぞらえてみるならば、 類似の法則に則った類感呪術ではなく、接触の法則に則った感染呪術としての絵画とでも言うべきか。
怒り、嘆き、悦び、恐れ、痛み、苦しみ、驚き、快感、あるいは欲求不満...己の制御の限界を超えた精神状態に至った時、わたしたちは叫ぶ。しかしその容態を「叫ぶ」という能動態で説明するのは果たして妥当なのだろうか。むしろその時わたしたちは「叫び」という得体の知れないものに乗っ取られ、襲われているのではないか。「叫び」が現勢化されるためには極めて大きな声量を要する。そのとき声帯で引き起こされる振動は激しく、破壊的で無秩序だ。その震えはわたしたちをもう一度あの混沌とした生の熱源へと荒々しく引き戻す。それはわたしたちを生かしもするし殺しもする。にもかかわらず、わたしたちはその熱い声のことをほとんど知らない。
それはさておき、まっさらなカンヴァスの表面を軽く指で叩いてやると画布が小気味良く振動し、なかなか良い音が鳴ることを、洋画の心得のある者なら誰しもが知っているだろう。そう、画布は鼓膜にもなり得るし、カンヴァスは太鼓と同じ構造を持った文字通りの共鳴体なのである。そのカンヴァスを水平に寝かせ、画布の上に大理石の粒子を敷き詰めて、かつてどこかで発せられた人間の叫声を物理的に共鳴させてやる。するとそこに声の主の ”肖像 ” ならぬ ”叫像”が現れてくる。
生の熱源から生じたその” 叫像” を,「Screamology(叫声学)」の視点で瞬間冷凍させたのが、このたび発表する「Frozen Scream」シリーズである。
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