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日野之彦「外へ」

snow contemporary
日野之彦「外へ」

会期: 2018年5月12日(土) - 6月9日(土) 13:00 - 19:00
*日・月・火・祝日は休廊
オープニングレセプション:5月12日(土)18:00 - 20:00
会場:SNOW Contemporary / 東京都港区西麻布2-13-12 早野ビル404


SNOW Contemporaryでは2018年5月12日(土)から6月9日(土)まで、日野之彦による個展「外へ」を開催いたします。
1976年に石川県輪島市に生まれ、2001年に筑波大学大学院を修了した日野之彦は、2005年のVOCA賞受賞を機に、インパクトの強い人物像が多くの人に知られることとなりました。受賞後は、自身の作品のアイコンとも言える人物像を排除した静物画や風景画、ドローイング、水彩、色鉛筆など様々なメディアやブロンズでの立体作品など様々な表現に挑みながら、独自の表現世界を発展させています。

日野の描く人物像における最大の特徴は、ポーズや服装、表情など人物を理解するための情報が全て排除されている点にあります。大きく開いた瞳孔は意思が読み取れないように、局部を隠したブリーフ姿は性的な要素を排除するために、幼児的なポーズは時代やステータス、年齢を特定させないように注意をはらった結果であると日野は言います。「人間の精神という形のないものを視覚化するために、肉体と意識をあえて別々に分けて描いている」(日野之彦によるテキスト/「日野之彦 | Korehiko Hino」(2011)より)結果、惚けた表情に幼児体型という奇妙な人物がキャンバスに現れます。鑑賞者はおのおので精神の在処を探し、独自の物語を紡ぐことになるのです。

この度の個展ではタイトルを「外へ」と題し、これまで人物における物語性を排除してきた日野が、人物を密室から屋外へといざなうことで、作為的な状況を作り出し、積極的にシアトリカルな表現を加えました。画面に登場する人物が屋外に出ることで、これまでとは違った種類の存在感を表すことを意図しています。日野の描く新たな人間像を是非ご高覧いただけましたら幸いです。
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