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ジャンボスズキ「愛の風景」

snow contemporary
Live Until 100 2011 / 116x71cm / oil on canvas
ジャンボスズキ「愛の風景」

会期:2011 年 11 月 3 日(木) - 20 日(日) 12:00 ? 20:00
オープニングレセプション: 11 月 3 日(木) 17:00-20:00
トークショー:11 月 3 日(木) 17:00-18:00 ジャンボスズキ x 千葉正也(アーティスト)
*ジャンボスズキ作品のルーツを求め、新潟へ二人旅をしました。
会場:XYZ collective (SNOW Contemporary) /東京都世田谷区弦巻 2-30-20 1F

SNOW Contemporary では 11 月 3 日(木)から 20 日(日)まで、ジャンボスズキの個展「愛の風景」を開催いたします。
1980年生まれのジャンボスズキは、2007 年名古屋造形大学美術学科卒業後、2008 年「VOCA 展」 (上野の森美術館)、2010 年「TDW-ARTジャラパゴス展」(Tokyo Designers Week / 明治神宮外苑絵画館前)、2011 年「Art in an Office」(豊田市美術館)等数々のグループ展に出品し、着実に力をつけてきた若手ペインターです。
ジャンボスズキの作品は、容易には読み取る事が出来ない不可思議さに満ちています。祝い事、ご馳走、棺など冠婚葬祭に関わる一連の流れを題材として扱うことの多いジャンボスズキですが、実際の作品をみると、一枚のキャンバスの中に、樹木と木棺、レンガトンネル、あるいはタイル貼りの風呂釜がそれぞれほぼ同じ大きさで一緒に描かれていたり、燃えさかる瓦屋根の飼育小屋の上に巨大なリーゼントが覆いかぶさっていたりと、物質的・空間的・時間的に何ら関係性を持たない「モノ」たちが共存しています。単色で塗られた色彩を背景に、不可思議なモノがあちこちに配置されている上、そのモノの中にはそれぞれに質感の異なる「何か」が描きこまれているのです。しかもそのほとんどにおいて、形状はあるべき質感を備えていません。我々が認知する「物質」の概念を裏切り微妙にずれて成立しているが故に感じる形状と質感の組み合わせの奇妙さ・唐突さは、観る者に感覚的な居心地の悪さを引き起こします。また、なぜそれらが同一画面上に描かれているのかを理解するのに必要なヒントとなる媒介物が存在していないので、鑑賞者は自然に、ジャンボスズキの絵を読み解こうと自身の創造力や感性、記憶を呼び覚ますことになるのです。
ジャンボスズキは自身の制作プロセスについて、こう語っています。「小学生の頃、漢字ドリルが大嫌いでした。お手本をなぞって繰り返すのが苦痛でした。予備校生の頃、静物デッザンが苦手でした。形が取れず失敗ばかりしていました。どうやら、目の前に正解をおかれると、どうにも手が出しづらいのだと思います。今もそれは変わらないのですが、頭の中に正解を置いてしまうと、一転して描くのが楽しくなります。曖昧な記憶を元に想像した物は、刻々と変化していき、忠実に再現しようとすればする程、絵が思わぬ方向に進んで行くからです」。ジャンボスズキは、あくまで自由に自らの記憶と創造力、感覚をたよりに、ひたすら自身の頭に浮かぶそのイメージをたどり、時にはイメージ同士を連想させながら、彼独自の世界を創りあげているのです。
このたびの個展では、大作3点を中心に合計約8点の油彩画を発表し、ジャンボスズキの「愛の風景」をご覧いただきます。ジャンボスズキの風景は実際の風景を描いているものではありません。それは彼が日常におけるイメージの記憶をたどりながら、キャンバス上に再構成した風景なのです。ジャンボスズキがキャンバスという平面世界に表出させる異世界は、制作に対して真に自由なジャンボスズキだけが表現しうる「愛の風景」であり、絵画ならではの世界の見え方や広がりの可能性を感じさせ、絵画の豊かさと愉悦を存分に体感させてくれるものでもあります。この度の個展でみせるジャンボスズキの「愛の風景」を、どうか実際にご覧になって楽しんでいただければ幸いです。
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