SNOWcontemporary

河口龍夫「時間の位相」



SNOW Contemporaryでは2016年9月10日(土)から10月1日(土)まで、河口龍夫の個展「時間の位相」を開催いたします。
本展は、河口龍夫が1970年に制作した自らの代表作『陸と海』に対峙し、46年という時間を経て制作した作品『<陸と海>からの時相』8点から構成されます。
『陸と海』が最初に発表されたのは、1970年に中原佑介氏をコミッショナーとして開催された第10回日本国際美術展(東京ビエンナーレ)でした。瀬戸・須磨海岸の干潮と満潮の中間地帯に4枚の板をロープで設置し定点撮影した写真から26点が抽出・展示されました。
鑑賞者は、陸との境界線が動く海の中で板がたゆたう様が写された写真作品から、無意識下において認識しているこの世界の構造を意識することとなります。河口はこの作品を通して大きな宇宙の営みの一端を可視化させるとともに、この一連の現象から思い浮かぶ可視と不可視、感覚と認識、現実と写真、などといった概念の対極要素を「関係」という言葉で結ぶことで、作品に内在する同質性を捉え鮮やかに顕在化させました。『陸と海』は、その後の河口作品の代名詞である「関係」という概念を知らしめた記念碑的な作品と言えるでしょう。 一方、本展で発表する「新作」において河口は、1970年に制作された写真作品の外側を想像力によって描き出します。本作を制作する契機について、河口は以下のように記しています。
「<陸と海>のすべての写真には、当然のことながらその撮影された光景の外側がないのである。写真の左右も上下もない。現実にはあったはずの光景から写真として切り取られそれ以外が欠落しているのである。このことは写真を基点に考えれば、被写体の切り取りで成立する写真そのものの持つ構造であって、写真フレームの外側がないことは何ら不信を抱く事柄ではない。、と納得しながら、なおかつ写真にすることによって欠落してしまった、その写真の外側が気になってしかたがなくなっていたのである」
本作からは、1970年から2016年までの時間によって想起される「時相」(時間の位置)をめぐる諸要素は勿論のこと、境界の内側と外側、現実と創造、写真とドローイングなど、様々な「関係」を読み取ることが出来るでしょう。本作を通じて横たわる多様な「関係」に想像力を働かせることは、世界をとらえなおす新たな契機となることと確信しております。
この度の河口龍夫の「新作」にご期待いただくとともに、ご高覧いただけましたら幸いです。

プレスリリース(pdf)はこちら

会期:2016年9月10日(土) – 10月1日(土) 11:00 – 19:00 *日・月・祝日休廊
会場:SNOW Contemporary / 東京都港区西麻布2-13-12 早野ビル404

オープニングレセプション:9月9日(金) 18:00 – 20:00
アーティストトーク「1970年の<陸と海>から今その外側へ」:9月9日(金) 18:30 –
*定員40名まで。先着順。人数によっては立ち見となる場合もございます。